ヘッドスペース・ガスクロマトグラフィーによる血中微量シアンの迅速分析

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はじめに

高分子建築資材などの中には燃焼によりシアンガス(HCN)を発生するものがあり,火災死亡の場合には血中 CO と共にシアンガスの測定も要望されるようになってきています。 シアンガスの分析には,ピリジン - ピラゾロン法や電極法などの方法も用いられていますがヘッドスペースGC/FTD 法を用いれば簡便かつ迅速に血中シアンを分析できます。 ここでは,血中シアンの分析例をご紹介します。(分析方法)血液試料 0.5mL を気化平衡容器(8mL のガラス製バイアル)に入れ,蒸留水 0.3mL を加え,直にパッキング付きネジぶたで密栓した後,注射筒を用いパッキングを通して 50%リン酸 0.2mL を加え(備考),かく拌後,50℃の恒温槽中で 30 分間加温します。つぎに,50℃に温めたガスタイトシリンジを用い,パッキングを通して容器内の気相0.5mLを採り,ガスクロマトグラフに注入します。

2006.10.09