原子吸光分光光度計を用いた細胞培養上清中の金属元素モニタリング
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ユーザーベネフィット
- 原子吸光分光光度計を用いることにより、希釈のみの前処理で細胞培養上清を分析できます。 - フレーム法と電気加熱法の切替えが容易なオートアトマイザチェンザ(AAC)を用いることで、微量(ppb)〜⾼濃度(ppm)まで幅広い濃度の金属元素を簡単に分析できます。
はじめに
抗体医薬品は、主にCHO細胞を培養することにより産生されます。培養中の細胞代謝や産生される抗体の一次構造は、培養液中の金属元素濃度変化に影響を受けることが近年報告されています。例えば、培養液中のCu濃度に応じてCHO細胞の乳酸代謝の経路が変化することや、抗体の糖鎖構造が培地中のMn/Zn 比に応じて変化することが挙げられます。そのため、抗体医薬品の品質を一定に保つうえでは、培養液中の金属元素濃度の経時変化をモニタリングすることが重要と考えられます。 当社ではこれまでに、細胞を含まない培養前の培地中の金属元素を希釈のみの前処理で、原子吸光法により分析した例を示しています。本稿では、細胞培養中に経時的に採取した培地(培養上清)中の金属元素分析にも本手法が適応可能であることを検証しました。
2021.01.25