SPM-9700HT - 特長
走査型プローブ顕微鏡
観察時間を短縮する ハイスループットスキャナ
新しく開発したHTスキャナにより、従来より5倍以上の早さ(当社比)で表面形状の観察が可能になりました。
スキャナは簡単に交換できるため、従来のスキャナを使用できます。また、既存のSPM-9700にHTスキャナを追加することで装置のハイスループット化が可能です。
解析例
◆ 金属蒸着膜の面粗さ解析
金属蒸着膜の表面形状を走査速度1Hzと5Hzで観察しました。画質および面粗さの解析の結果は同等です。
グレーティングの表面形状を走査速度1Hzと5Hzで観察しました。断面形状解析による段差測定の結果は、どらとも同じ値を示しています。
ヘッドスライドメカニズム ~高安定性 & ハイスループット~
光てこ系とカンチレバーが一体となったヘッドで,スライドさせるだけで試料の交換が可能です。 レーザー光の照射を中断せず交換できるので,交換後もレーザー照射は高い安定性を維持しています。 光軸調整などレーザー照射の中断に伴う作業がないため,分析時間も短縮できます。
~高安定性~
- 試料交換中もレーザは安定してカンチレバーに照射されます。
- 振動や音、風の外乱に強く、専用の風防は不要です。
- 本体に除振機能が内蔵されています。
SPM-9700HT 高安定性の秘密
高性能が維持できる優れた機構 -レーザ照射の違いによる安定度の比較-
~ハイスループット~
- カンチレバーホルダーを外すことなく試料を交換できます。
- SPM観察中も、試料に対してアクセスできます。
- 試料の厚みにかかわらずアプローチは完全自動です。
SPM-9700HT ハイスループットの秘密
操作性を極めた優れた機構 -試料交換の違いによるスループットの比較-
カンチレバーマスター (カンチレバー取り付け治具)
(1) 取り付け治具にカンチレバーホルダーを装着し,ホルダー固定つまみで,ホルダーを固定。その後,押さえ金具リリースピンを押します。(カンチレバー押さえ金具が持ち上がります)
(2) カンチレバーを滑り台に置きます。
◎ここでひと呼吸!カンチレバーを持ち直すことも可能!!
(3) カンチレバーを滑り台からホルダーに動かします。
(確実にカンチレバーがセットできます!)
[適用カンチレバーホルダー]
AFM用標準ホルダー,電流用ホルダー,微小電流用ホルダー,KFM用ホルダー
注)溶液セル用カンチレバーホルダーには使用できません。
(4) 押さえ金具セットレバーをゆっくり押すと,押さえ金具リリースピンが戻り,カンチレバーが固定されます。
[製品構成]
1) 取り付け治具本体 1
2) 調整用六角レンチ 4
3) 専用ケース 1
4) 取扱説明書 1
★特許出願中
マウス操作で多彩な3D表現
マウス操作で回転、ズーム、Z軸倍率変更が自由自在にでき,画像の見たい角度や倍率を感覚的に調節できます。 高さ情報に他の物性情報を重ね合わせて表示するテクスチャ機能や,3D断面形状解析機能といった高度な解析により、画像の確認作業の効率を飛躍的に向上します。
ズーム
回転
Z軸倍率変更
テクスチャ機能
高さ情報に他の物性情報を重ね合わせて表示することができます。両者の関係が明確に表現できます。
3D断面形状解析
3D表示上で断面形状解析ができます。物性情報をテクスチャとして表現している場合には、同じ場所でそれぞれの断面プロファイルが表示・解析できます。
観察から解析までの思考を妨げない操作性
多彩な走査機能
あらゆる要求に応える機能と拡張性
豊富な測定モードで、試料の形状像だけでなく、電流や電位、硬さや粘弾性といった試料表面の物性情報を反映した画像を取得できるようになります。
標準機能
標準機能
オプション機能
オプション機能
コンタクトモードAFM
カンチレバーと試料との間に働く斥力が一定になるようにフィードバックをかけながら試料表面を走査するモードです。AFMでは最も標準的なモードで、最高 の分解能が得られます。
マイカの原子像(デスク型空気ばね式除振台使用)
ダイナミックモードAFM
カンチレバーを共振周波数付近で振動させます。この状態でカンチレバー先端が試料に接近すると振幅が変化します。この現象を利用して振幅が一定になるよ うに動作させ、試料の高さ方向の変位を取得するモードです。
サファイアの原子ステップ
プラスミドDNA
位相
ダイナミックモードで走査中に、カンチレバーの位相の遅れを検出します。試料表面の特性の違いを画像化することができます。
ポリマーシート 表面形状像(左)/位相像(右)
水平力(LFM)
カンチレバーの長手方向に対して垂直に走査しながら、水平力(摩擦力)によるカンチレバーのねじれ量を検出し、画像化します。
白金コート 表面形状像(左)/LFM像(右)
フォースモジュレーション
コンタクトモードで走査中に探針を繰り返し試料に押し込み、その応答を振幅および位相に分離して検出します。試料表面の物性の違いを画像化することがで きます。
ステンレス 表面形状像(左)/振幅像(右)
フォースカーブ (フォースマッピングはオプション)
探針と試料との距離を変えながら探針に働く力を測定し、グラフ表示します。
電流
コンタクトモードで走査中に探針と試料の間にバイアス電圧を印加し、その時に流れる電流を検出して、その分布を画像化します。
カーボン抵抗体 表面形状像(左)/電流像(右)
表面電位(KFM)
導電性のカンチレバーに交流電圧を印加し、試料表面とカンチレバーとの間に働く電気力を検出する事により、試料表面の電位を測定します。
分散剤 表面形状像(左)/電位像(右)
磁気力(MFM)
磁化された探針を試料から一定の距離だけ離れた位置で走査します。
この時、漏洩磁場による磁気力を検出することで、試料表面の磁気情報を画像化します。
フロッピーディスク 表面形状像(左)/MFM像(右)
ベクタースキャン(特注)
試料の走査方向や探針-試料間に働く力、印加電圧をプログラミングし、その通りに実行することができます。
シリコン基板上の金蒸着面 表面形状像(左)/KFM像(右)
溶液中観察 (シャーレ型溶液セル)
小型シャーレの底に試料を装着し、溶液で満たします。カンチ レバーを溶液に浸けて走査することにより、溶液中でAFM観察が行えます。
親水性ポリマー 大気中(左)/溶液中(右)
電気化学反応時の観察 (電気化学用溶液セル)
電解溶液中で、電気化学反応による試料表面の変化をAFM観察する時に使用します。標準3電極(作用電極、対極、参照電極)。
銅板 表面形状像(左)
/サイクリックボルタンメトリ3回繰り返し(右)