MS50周年記念特設サイト - ユーザーインタビュー 2020年5月号

島津MS製品のユーザー様の声を集めました。世界中の皆様からのメッセージをインタビュー形式でご紹介いたします。

Wang Guangji(王広基)

Prof. Wang Guangji(王広基)
Academician, Chinese Academy of Engineering
Former deputy head of the China Pharmaceutical University

主な研究分野
薬物代謝動態学

1. 島津製作所をお知りになったきっかけを教えてください。

中国薬科大学と島津は長期にわたって良好な協力関係を構築してきました。本学では、1963年に初めて島津の紫外可視分光光度計を導入し、それ以来、島津のHPLCやGCなどが本学で使用する分析装置の主流となっています。2001年、私たちは初めてシングル四重極型LC/MSシステムLCMS-2010を導入しました。その後、中国薬科大学の各ラボに数十台の島津LC/MSシステムを次々と導入しました。2003年9月には「中国薬科大学―島津製作所分析センター」を設立しました。この共同ラボの設立は本学と島津の協力関係が大きく飛躍したことを示しています。私たちと島津は、この20年間で一貫して「相互成長」を原則としており、共同ラボを絆とし、提携を通じてお互いが保有する技術を融合し、お互いの成長を進めてくれることができました。

2. ご自身の研究分野をご紹介ください。また,どういった用途で島津製作所の分析装置をご使用いただいていますか?

私は薬物代謝動態学、主に漢方薬・西洋薬及びポリペプチド、タンパク質性医薬品の体内での動きに関する研究を行っています。近年、私たちは薬物の細胞・亜細胞内の取り込みや送達特性に関する研究にも注目しています。島津の分析装置は私たちの研究に重要な役割を果たしています。例えば、薬物の細胞・亜細胞内の濃度は非常に低いため、高感度のLCMS-8050を使用し定量分析を行います。漢方薬やタンパク質性医薬品など成分が複雑な場合には、LCMS-IT-TOFを使用し物質の測定を行います。そのほか、島津の質量分析イメージング技術で標的組織と標的細胞中の薬物分布濃度の可視化を実現できます。

3. 島津製作所の装置を採用いただいている理由をお聞かせください。

島津を選ぶ最大の理由は、装置の品質が高いからです。私たちは長年島津の装置を使用し、装置の耐久性の良さを実感しています。例えば、2001年に導入したLCMS-2010は今でも問題なく稼働しており、2005年に導入したLCMS-IT-TOFもフル稼働しています。また、島津はアフターサービスも良く、メンテナンスコストが低いのです。そして、島津のサービスエンジニアが提供しているサービスの品質もレスポンスの速さもトップクラスであると思います。

4. ご自身の研究分野における,質量分析技術の動向やトレンドについて教えてください。

現在、質量分析はメタボロミクスやプロテオミクス研究における最も主流となる分析手段です。質量の分解能と感度を高めることでオミクス解析の精度と研究効率を大幅に向上させることができます。従って、島津は質量分析装置の感度と分解能をさらに高めることに注力すべきだと思います。また、質量分析イメージング技術も近年注目されている技術の一つであり、薬物代謝、薬物効果と調剤の研究で応用されています。空間分解能と感度を最大化することで質量分析イメージング技術の更なる広範囲での応用が期待されます。

5. 島津製作所や質量分析技術の発展に関して,どのようなことを期待いただいているでしょうか。

まず、島津がさらに発展し、ソフトウェアにおいてもハードウェアにおいても世界トップクラスになることを期待しています。また、島津と本学とのコラボレーションがさらに強化することを期待しています。相互の連携を通じて、産学協同の継続的な発展を実現すると共に島津の製品開発にも貢献できると考えています。

Prof. Guangji Wang lab

Prof. Guangji Wang