熱天秤には,「吊り下げ方式」・「上皿方式」・「水平方式」があります。

 
 

構造と特徴

吊り下げ方式 上皿方式 水平方式

吊り下げ方式

上皿方式

水平方式

試料が天秤からぶら下がっている構造 天秤の上方に試料を置く構造 天秤の端に試料を置く構造
  • TGが高感度
  • 試料量が多く取れる
  • TG-DTAやTG-DSC同時測定不可
  • 試料温度を直接測定可能
※ TG-DTAやTG-DSCの同時測定装置に応用
 

一般的にTGでは,加熱による浮力と対流の変化により温度に対してベースラインがドリフトします。
(試料に重量変化がなくても,見かけ上,重量信号が変化します)
このベースラインドリフト対策のために,最近では各方式で差動型の構造を持つ天秤が多く用いられるようになりました。

 

差動式とは?

上皿差動型天秤DTG-60の例
上皿差動型天秤DTG-60の例

上皿式を例にした差動型天秤の構造を示します。

この構造のように天秤ビームの両端に設定した試料台(温度検出器)にサンプルとリファレンスを載せ加熱すると,両者の重量の差が信号として検出されます。
このとき浮力や対流の変化は同等に両者に加わるため,その力がキャンセルされベースラインのドリフトを取り除くことが可能となります。