TG-DTAとは?
示差熱・熱重量同時測定装置(Simultaneous Thermogravimetry / Differential Thermal Analysis)
ひとつの試料で,示差熱分析(DTA:Differential Thermal Analysis)と熱重量測定(TG:Thermogravimetry)が同時に行える装置です。
測定対象
融解,ガラス転移,結晶化,硬化反応,昇華,蒸発,脱水,熱分解,熱履歴の検討
融解,ガラス転移,結晶化,硬化反応,昇華,蒸発,脱水,熱分解,熱履歴の検討
TG/DTA曲線モデルと熱変化 (雰囲気:空気中)
TG曲線 | DTA曲線 | 反応 |
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分解・脱水・還元 |
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燃 焼 | |
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昇華・蒸発 | |
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酸 化 |
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転移・融解 |
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結晶化 | |
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ガラス転移 |
TG-DTAのデータ例
ゴムであるSBRはその機械的強度や耐熱性の改善のため,カーボンブラックが添加されています。雰囲気をコントロールしながら加熱することにより,添加されたカーボンブラックの定量を行うことができます。
まず装置に試料をセットした後,窒素雰囲気に十分置換します。約600 ℃まで加熱すると,重量減少を伴う吸熱が見られます。これはSBRの熱分解を示しています。SBRが完全に分解した後,雰囲気を空気に切り替えると,重量減少を伴う発熱が見られます。これはカーボンブラックが酸化したことを示しています。したがって,2回目の減量分である28 %が添加されたカーボンブラックの量であると言えます。尚,カーボンブラックの酸化の後は,無機物の残渣が生じます。
このようにTG-DTAでは重量変化と熱量を同時に測定することで,反応の内容をより正確に把握することが可能となります。