ここでは装置の健康状態を把握・管理するために欠かせない装置バリデーションについて解説します。

バリデーションとは

定められた手順に従って検証を行い、検証結果を文書として記録する一連のプロセスをバリデーションと呼びます。製品が期待通りの品質を得るために使われる設備・装置・運用手順に問題がないかどうかを定期的に検証する必要があるため、バリデーションの対象は設備や装置といった有形のものから作業手順や工程といった無形のものまで多岐にわたります。ここでは紫外・可視分光光度計に対するバリデーションについて、その内容をご説明します。

バリデーションから得られる情報

バリデーションの結果から装置の健康状態を把握するのに有益な情報が得られます。私たちは、装置の状態を常に把握し管理するために、バリデーションを定期的に行うことを推奨しています。消耗品を交換した後や装置の据付場所を変更した後など、装置環境に変更があった場合にもこまめにバリデーションを行うことが大切です。

ノイズレベルの測定結果
図1. ノイズレベルの測定結果

紫外可視分光光度計は多くの部品から構成されており、その中には経年や使用頻度によって劣化する消耗部品もあります。 例として、「ノイズレベル」を見てみましょう。ノイズレベルは、特定の波長における吸光度0付近の時間変化を1分間測定したときの吸光度の最大の振れ幅(隣り合う山と谷の距離のうち、最大のもの)という形で定義されており、光源(ランプ)の状態を知る一つの手がかりとなります。図1にノイズレベルを測定したグラフを示します。
ランプが経年劣化して放射光の強度が小さくなってくると、雑音の大きさは相対的に増大し、ノイズレベルが高くなります。ノイズレベルの上昇はデータの再現性の低下を意味しますので、測光値を正確に知りたい場合には悪影響が出てきます。 

また、非常に小さな吸収ピークを検出しなければならない場合、ノイズレベルが大きいとピークがノイズに埋もれてしまい、正しく検出できなくなる可能性があります。このような状態を確認するためにもバリデーションが大切になります。

 

ソフトウェアによるバリデーションのアシスト

装置バリデーションで確認しなければならない性能項目は多岐にわたり、これらの項目を一つ一つ手作業で確認してゆくのは時間がかかります。また、煩雑な検査手順に伴う人為的な操作ミスも起こしやすくなります。
この問題を解決するために、バリデーションに必要な測定や計算を支援するよう設計されたUVバリデーションソフトウェアがあります。

 

UVバリデーションソフトウェア