MALDI-TOFMSの原理
MALDI 関連機器・ソリューション
MALDIとは、Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)の略称です。
MALDIにおけるサンプルは多量のマトリックス(Matrix)と均一に混合された状態にあります。
マトリックスは、紫外光であるレーザ光(波長=337~355nm)を吸収し、熱エネルギーに変換します。この時、マトリックスのごく一部(図のAnalyteの最表面~100nm)が急速に(数nsec)加熱され、サンプルとともに気化されます。
TOFMSとは、Time of Flight Mass Spectrometry(飛行時間型質量分析法 )の略称です。
図に示されるように、様々の大きさの正イオンがサンプルスライド(Sample Slide)上で発生します。サンプルスライドと接地グラウンド(Ground)の間にはV0の電位差があるので、イオンは図の方向に引き出されます。引き出し後の各イオン速度vは、エネルギー保存の法則より求められます。ここで電位差V0は、どのイオンに対しても一定ですので、m/z値が小さい(軽い)イオンほど高速でドリフト空間(Drift Space)を飛行し、検出器(Detector)に到着します。このように、質量電荷比m/z値の違いでイオンの飛行時間が異なることを利用して質量分析を行う方法を「飛行時間型質量分析法」(TOFMS)と呼びます。
薄いサンプルに、マトリックスと呼ばれるイオン化補助剤を均一に塗布し、レーザー照射によって、そこに含まれる分子をイオン化させ、質量分析を行います。→ MALDI TOF MS
分析位置を少しずつ変え、何万点ものMALDI TOF MS分析を実施することで、さまざまな分子の分布を画像として表示させます。
アプリケーション
Documents | 作成日 作成日 |
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2009-01-25 |