逆相カラムの選択性の違い
逆相クロマトグラフィー用のカラムは様々なカラムメーカーが開発、販売しています。化学修飾する官能基が同じであっても、カラムのブランドやシリーズによってターゲット化合物の分離挙動が大きく異なる場合があります。
このような分離挙動の違いは官能基の化学修飾の方法による炭素含有量の差異、基材が持つ細孔の大きさの違い、シリカゲルや有機シリカ基材においては基材に含まれる残存シラノール基を減らすためのエンドキャッピング処理、充填剤を詰めるカラム管の素材の違いなどによって起こります(参照: Table 1)。
ポイント例 | 備 考 |
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炭素含有量の違い | 一般的に炭素含有量が多いほど、逆相モードにおける化合物の保持力は強くなる |
細孔径の違い | 細孔径と化合物の大きさとの相性によって、充填剤内部での化合物の拡散の仕方が変わり、化合物の保持力が変わる |
エンドキャッピング | エンドキャッピング処理はシリカ基材・有機シリカ基材を使用しているカラムにおいて、基材中の残存シラノール基量を減らす処理 化合物との化学的相互作用が変わる |
カラム管素材の違い | カラム接液部分の素材の違いによって、化合物との相互作用が変わり、特に化合物の吸着具合に影響する場合もある |
一例として、メーカーやブランドの異なる26種類のC18カラムを用い、炭素含有量と保持力の関係性を以下の図1にまとめました。
図1からも炭素含有量と保持力には正の相関があることがわかります。(炭素含有量や比表面積などの充填剤パラメーターの算出方法はメーカーによって異なるため、参考としてご覧ください。)