逆相カラムの中には“ワイドポアカラム”と呼 称されるカラムがあります。逆相カラムにおいて一般的なカラムの細孔径は約90 Å~120 Å 程度です。一方、一般的なカラムよりも大きい細孔径をもつカ ラム(以下、ワイドポアカラム)は200 Å~1000 Å程度の細孔 径を有します。

ワイドポアカラムは同じ官能基の一般的細孔径を持つカラムと比較 した際に、低分子の疎水性化合物の保持が弱くなります。一方、 ペプチドやタンパク質といった分子量 の大きい化合物の保持はワイドポアタイプのカラムの方が保持 が強くなるといった特徴があります。この分離挙動には、化合物の大きさによって、細孔に浸透するものについては保持が強くなり、細孔に浸透しない ものは保持が弱くなるというサイズ排除効果が影響していると考えられます。化合物の保持は細孔内でも行われるため、化合物が細孔内に浸透できる細孔径が必要です。(参照:Fig1. 一般的なカラムとワイドポアカラムの細孔イメージについて)

一般的なカラムとワイドポアカラムの細孔イメージについて

Fig1. 一般的なカラムとワイドポアカラムの細孔イメージについて


 

Fig.2にShim-pack Scepter C18-120(細孔径:120 Å)、 Shim-pack Scepter C18-300(細孔径:300 Å)、Shim-pack Scepter C4-300(細孔径:300 Å)を用いた時の分子量の異なる ペプチド分析の結果を示しています。

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Fig.2 分子量の異なる ペプチド分析の結果

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分子量が500程度のLeusin-Enkepharinの保持時間は 、ワイドポアカラムであるScepter C4-300や、Scepter C18-300の保持が一般的なカラムであるScepter C18-120に比べて弱いです。 一方、中分子であるRibonuclease Aや Insulinは一般的なカラムであるScepter C18-120と比較して、ワイドカラムであるScpter C4-300やScepter C18-300の方が保持が強く分離が改善されました。

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