日本薬局方のはかり(天秤)への要件が改められました

日本薬局方の第十八改正 第二追補(2024年6月28日告示)において、「一般試験法 9.62 計量器・用器」ではかり(天秤)および分銅の要件が改められました。日本薬局方における試験において計量に用いるはかり(天秤)が対象となります。

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対象となるはかり(天秤)の定義だけでなく、以下の校正の実施と性能要件が追加されています。最新動向については、厚生労働省の「日本薬局方」ホームページの情報を参照ください。

改正内容

  • 国際単位系(SI)へのトレーサビリティが確保された校正を実施していること。
  • 次の性能要件をみたすこと。
    繰返し性(併行精度)
    正確さ(真度)
  • 正確さ(真度)の確認に使用する分銅は、国際単位系(SI)へのトレーサビリティが確保された校正を実施していること。

追加された性能要件

要件 内容
繰り返し性
(併行精度)

試験分銅は、最大ひょう量の5%程度の質量で100mg以上を使用する。
10回以上の分銅ののせ降ろしにより得られたはかり(天秤)の表示値の標準偏差sを算出する。
記の式(1)により最小計量値の推定値を確認する。 その標準偏差sを使用し、下記の式(2)より求めた最小はかり取り量の精度が0.10%以下であることを確認する。
最小計量値を考慮した、繰返し性(併行精度)を確保できる程度の実際のひょう量下限値を最小はかり取り量とする。

式

正確さ
(真度)
試験分銅は、はかり取りを行う範囲の上限程度、またははかり(天秤)の最大秤量値の5%から100%の質量の物を使用する。
1回の分銅ののせ降ろしにより得られたはかり(天秤)の表示値と分銅の質量値から、下記の式により得られる誤差が0.05%以下であること。

また、参考情報として、ひょう量の考え方や定期的に確認すべき性能要件が示されています。本改正に対する概要は下記資料をご参照ください。

要件のひとつの「国際単位系(SI)へのトレーサビリティが確保された校正」は、弊社JCSS校正にて対応できます。また、性能要件の試験結果証明書の発行も対応できますので、ご活用ください。