MS50周年記念特設サイト - ユーザーインタビュー 2020年12月号
島津MS製品のユーザー様の声を集めました。世界中の皆様からのメッセージをインタビュー形式でご紹介いたします。

Sreenivas Neerukonda
Executive Director
Vimta Labs Ltd.
主な研究分野
医薬品開発業務受託および試験
1. 島津製作所をお知りになったきっかけを教えてください。
私たちは30年間の付き合いがあるインドにあるSpinco Biotech Pvt Ltd.社経由で島津を知ることができました。
2. ご自身の研究分野をご紹介ください。また,どういった用途で島津製作所の分析装置をご使用いただいていますか?
私たちの事業分野は,医薬品,バイオテクノロジー,栄養補助食品,環境科学を含むライフサイエンス業界向けの医薬品開発業務受託および試験です。ほか,食品・農薬の検査,診断も行っています。
私たちは主に下記の用途で島津の装置を使用しています。
- 医薬品/バイオ医薬品:抽出物及び溶出物,遺伝毒性不純物の評価,不純物のプロファイリングおよび生物分析法の研究
- 食品,水,飲料,栄養補助食品:栄養評価,汚染物質分析(残留農薬,残留抗生物質,金属不純物),毒素,化学物質および色素試験
- 揮発性および半揮発性有機汚染物質の環境試験
3. 島津製作所の装置を採用いただいている理由をお聞かせください。
当社の様々なラボでは,40台を超える島津の質量分析計が設置されており,24時間365日稼働しています。私たちが島津の技術を採用した主な理由は,LabSolutions CSというソフトウェアの機能にあります。LabSolutionsはすべての分析データを統合し,データレビューと規制対応を容易にします。また,コストパフォーマンスにも優れています。
4. ご自身の研究分野における,質量分析技術の動向やトレンドについて教えてください。
食品検査分野における質量分析技術の今後の応用は次のようなものがあると考えています。
- アレルゲンプロテインの確認
- 混入物とその成分の確認(従来方法から質量分析への移行)
- 残留抗菌剤 (~100種) の一斉分析
- 複雑なマトリックス中の防腐剤の同族体分析
また,医薬品分野では,非常に高いレベルの感度と分解能を提供する最新のMS技術が,高分子・複合分子を含む不純物および代謝物の同定に関して,医薬品の有効性と安全性に関する理解を深めるために広く利用されています。
5. 島津製作所や質量分析技術の発展に関して,どのようなことを期待いただいているでしょうか。
質量分析は,ますます増大するアプリケーションの課題に対処するための技術となりつつあります。当社では,会長の先見性のあるリーダーシップに基づき,より信頼的で正確な分析結果をお客様に提供するために,様々なアプリケーションのための質量分析に基づくソリューションを増やしつづけています。
島津の質量分析技術をさらに強化できると考えられる追加機能は,高温プログラム可能なインターフェイスと四重極のベークアウトや、真空インターロックなどでしょう。
今後の数年間のうちに,より高い検出・定量能力を持つ質量分析技術は実現できるでしょう。さらに使いやすく,各種規制要件に100%準拠するワークフローも実現できるでしょう。