フィルムの摩擦係数測定
【規格番号 ASTM D 1894 - 95 (JIS K 7312 - 1996) 】
はじめに
プラスチックフィルムは様々な材料のコーティング材やラッピング材として使用されます。その際,フィルム同士あるいはフィルムと異種材料との間のすべり摩擦の測定が必要になるケースが多くあります。例えば,食品のフィルムの摩擦係数やスマートフォン用の保護フィルムの摩擦係数などが測定されています。ここでは,ASTM規格に沿って,ポリエチレンフィルムの静摩擦係数・動摩擦係数の測定を行った例について紹介します。
測定・治具など
規格では,プラスチックフィルム及びシートの滑り出し時及び滑り時の摩擦係数を測定する方法について規定されています。本試験では,ポリエチレンフィルムを用い,卓上形精密万能試験機オートグラフAGS-X,摩擦係数測定装置を使用して試験を行いました。試験片は移動試験片,固定試験片の2個を用意します。移動試験片(一辺が63.5 mmの正方形のもの)は,金属製そりに両面テープで貼り付け,固定試験片(幅130 mm ,長さ250 mm以上の矩形のもの)を固定台上に両面テープで貼り付けて測定を行います。
測定結果

Fig.1 試験の様子

Fig.2 試験結果
[ Table 1 試験条件 ]
項目 | 設定値 |
試験速度 移動距離 ロードセル容量 |
150 mm/min 130 mm 5 N |
[ Table 2 試験結果 ]
静摩擦係数 | 動作摩擦係数 |
0.21 | 0.17 |
特長
- 高精度ロードセルを採用(高精度形は0.5級,標準形は1級)
ロードセル定格の1/500~1/1の広い保証範囲。信頼性の高い試験評価をサポートします。 - クロスヘッド速度範囲
0.001~1000 mm/minの広範囲で試験可能です。 - 高速サンプリング
最高1 msecの高速サンプリングです。 - オペレーションソフトウェア TRAPEZIUMX LITE X
効率を高めるシンプルなソフトウェアです。 - ジョグコントローラ(オプション)
クロスヘッド位置を手元で操作できます。ジョグダイヤルを用いることで微小な位置調整が可能です。 - 応用試験装置
ラインナップされている豊富な治具に取り替えることにより,様々な試験に対応可能です。