4.溶解している空気(酸素)による検出への悪影響

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LCtalk特集号「移動相の脱気」

4-3)空気溶解量が変化することによる屈折計ベースライン変動

 液体の屈折率は,固体・液体のみならず,気体の溶解によっても変化します。 従って,屈折計では,液温変化による空気の溶解量変化が,ベースラインドリフト・うねりを引き起こすことになります。 仮にTHFを移動相として8×10-6RIUフルスケールで測定した場合,空気の溶解量が1%変化すると,ベースラインはフルスケールの10%以上変化することになります。 この対処策としては,移動相液温を一定に保って溶解量変化を抑えるか,溶解量の温度依存性が少ないHeで溶解している空気を置換してやることが適切です。 
 以上,この4.項で示したように,溶存している空気(酸素)が検出に悪影響を及ぼす場合があることに留意して分析を行って下さい。

屈折系ベースラインに及ぼす脱気効果

図20 屈折系ベースラインに及ぼす脱気効果