LC-2010のオートパージ機能(移動相交換)

製品技術解説

LCtalk45号TEC
LC-2010の後継機としてさらに機能アップした近未来型HPLC/UHPLCシリーズ i-Series のご紹介

 移動相,カラム,サンプルをセットして,スタートキーを押せば後はすべて装置がやってくれる・・・そんな完全自動化という夢の最後の障害は送液部のドレインバルブ操作でした。
 移動相をセットして呼び水を行うときや分析条件を変更し別の移動相に交換する場合,別途流路切替バルブを特別に用意しない限り,これまでは送液部のドレインバルブを開け,シリンジで吸引することによって送液部内部を新たな移動相で満たす作業が必要でした(図1)。

1.従来のマニュアルドレイン

 この壁を破って完全自動化を実現させたのが,LC-2010シリーズのオートパージ機能です。

オートパージ機能の実現により,

スタートアップ
システムのコンディショニング
システムの安定化チェック
分析
システムのクールダウンシャットダウン


・・・といった一連の流れがワンタッチキー操作で実働可能となりました。

今回はLC-2010シリーズで実現したオートパージ機能についてご紹介します。

(1)LC-2010の注入機構

 LC-2010は送液部・オートサンプラ部・カラムオーブン部・検出部を標準で内蔵しています。 この一体型という構成が各ユニット間の相乗効果を生み出す視点から,自動化のネックになっている送液部のドレイン機能を,サンプル注入用の高圧6方バルブに付加させることができないか,というのがオートパージ機能を考案した出発点でした。
 オートパージ機能は,この高圧6方バルブを含む流路の工夫と送液ポンプのチェック弁の改良で実現しました。  以下,その流路図を用いながら機能を説明します。

   図 2 はLC-2010の分析中の流路です。(説明用に簡略化して描いています)
オートサンプラ部は,X-Y-Zに移動するサンプリングニードル,高圧6方バルブと低圧バルブ,サンプリング機能とリンス機能を兼ねた計量ポンプから構成され,サンプリングニードルはサンプル瓶の置かれている位置以外に,
 インジェクションポート・・・サンプル注入
 リンスポート・・・ニードル洗浄
 ドレインポート・・・オートドレイン
の3つの位置に移動します。 分析中はオートサンプラのサンプリングニードルはインジェクションポートの位置にあり,ポンプから送液される移動相が,サンプリングニードル内に吸引されているサンプルを全量,カラムへと運びます。

 オートサンプラがサンプルを吸引している状態が流路図(図3)です。 高圧6方バルブが60度回転し,ポンプ/カラム間が高圧バルブを介して直結します。
 この時,低圧バルブは各ポートが通じていないポジションに止まり,サンプルループ内の流れが止まるため,サンプリングニードルをサンプル瓶の位置まで移動させることができます。 サンプル溶液内にニードルが降りると計量ポンプが指定の量だけサンプルを吸引します。
 サンプリングニードルがインジェクションポートに戻り,バルブ位置が(図2)に切り替わることで分析が始まります。(ここまでは,従来の当社製オートサンプラでも実現されていたものです)

LC-2010の注入機構① サンプル分析時

図2

LC-2010の注入機構② サンプル注入時

図3

(2)LC-2010 オートパージの機構

 図4が送液部のオートパージ流路です。 高圧6方バルブは,従来2ポジション(60度回転し元へ戻すという動き)のみですが,LC-2010の場合は途中の30度の位置で止めることにより3ポジションをとっています。 高圧6方バルブのA部流路の片側だけが30度分長くできているため,30度の回転位置では,A部のみ流路がつながり,B・Cの流路はつながらないという状態になります。
 この時送液ポンプからの移動相は高圧バルブのA部流路を経てサンプリングニードルからドレインポートへ排出されます。 この流路では,インジェクションポートより下流の流路に比べて流路抵抗が低いために高流速でパージすることが可能になるのです。
 オートパージ時の流路では,A流路で接続されているポート以外の4つのポートは高圧バルブ内でポート間が接続されないため,各ポートにつながっているカラムやインジェクションポートへの配管の他端から溶液が流れ出すことを防いでいます。

 また,送液ポンプのチェック弁を改良し,移動相~ポンプ間の流路に気体が混在していても確実に移動相を送液できるようにしたこともオートパージを実現するためには欠かせない要因となります。
[ USパテント/US6129840 ]
(Kk)

オートパージ時の流路

図4

オートパージ条件設定画面

オートパージ容量は可変です

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