カラムで分離した化合物の定性や定量をするためには、その化合物自体をモニターするための検出器が必要です。検出器はいわば HPLC分析における目の役割を果たしています。

適用する検出器はターゲットとする化合物の性質や分析条件の相性をもとに選択します。表1 にHPLCに用いる各種検出器をまとめています。

一般的に、対象成分の構造に特徴があり、検出の選択性が高いほど、 高感度になる傾向があります。HPLC分析においては、紫外吸光度検出器(UV検出器)やフォトダイオードアレイ検出器(PDA検出器)のような吸光度検出器が最もポピュラーです。 HPLCで分析するターゲットの化合物の多くは、分子構造に二重結合をもっており、光吸収性があるためです。 UV吸収のない化合物に関しては、イオン性などのその他の性質により検出します。 UV吸収により蛍光を発する化合物は蛍光検出器で検出することができます。また、示差屈折率、蒸発光散乱のように、全ての化合物を検出することができる検出器はユニバーサル検出器と表現されます。

表1 HPLCの検出法
 
検出器 目的物質
吸光度 吸光物質
蛍光 発蛍光物質
示差屈折率 全て
電気伝導度 陽イオン、陰イオン
質量分析計 イオン性化合物