1918年(大正7年)~島津天びんの幕開け

1875年(明治8年)に島津製作所が創業し、精密機器のメーカとして産声をあげてから、初めて当社が天びんの生産を開始したのは1918年(大正7年)のことです。天びんの原形である、さおの両側に皿が吊り下がっている形の物理天びんが誕生しました。

その後、生産機種は拡大され、化学天びんをはじめ、微量天びん、大形天びんなどが次々と開発されていきます。

初期の化学天びんでは、試料を片側のさらに載せ、もう片側に微量分銅をピンセットで細心の注意を払いながら載せていきます。天びんがバランスすれば読み取りを行うのですが、その際には、数回にわたるさおの左右の揺れ幅を目盛板で確認し、振動法で静止点を算出していました。ひとつの試料の測定にはベテランの方でも何分もかかり、質量測定は経験がものを言う大変精密で手間のかかる作業でした。

その後、揺れを抑えるエアダンパーや、微量分銅の載せ降ろし装置(NR形)などが次々と工夫され、より使いやすくなりました。

島津天びんの歴史