黄連に含まれるアルカロイドの定性分析(LC-MS)

黄連に含まれるアルカロイドの定性分析/LCMS

黄連は苦味健胃薬として古くから用いられ,現在でも胃腸薬に配合されている生薬です。その活性本体であるベルベリンなどのイソキノリンアルカロイドはODSカラムを用いたHPLCで分析可能です。
しかし,各ピークを同定する根拠は保持時間であるため,ベルベリン,コプチシン,パルマチンなどの標準品を用いて確認する必要があります。さらに各成分は類似した吸収スペクトルを示すことから,慎重に定性しなければなりません。
今回は,保持時間に加えて,マススペクトルが得られるLCMS により黄連末中のアルカロイド(ベルペリン,エピベルベリン,コプチシン,ヤテオリジン,パルマチン)について分析しました。

各成分のプロトン化分子の質量によるマスクロマトグラムを示します。
各成分の分離を確認し,同定することができました。

黄連アルカロイドのマスクロマトグラム

黄連アルカロイドのマスクロマトグラム

詳細はアプリケーションニュース No.C22 黄連に含まれるアルカロイドの定性分析をご参考ください。
こちらでは分析条件や各成分のマススペクトルについてご紹介しています。
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液体クロマトグラフ質量分析計

高速液体クロマトグラフ(HPLC)と質量分析計(MS:マス)が一体化した分析装置です。試料をLC部のカラムと呼ばれる分離管に通すことで,化合物を分離して複数のピークとして出現させます。MS部では質量スペクトルを測定することにより,その分離されたピークがどのような分子量であるかを確認することができます。そしてピークの面積を標準物質と比較することにより定量を行うことができます。GC/MSでは不得意な成分である難揮発性あるいは熱不安定な化合物の分析が可能です。