金属触媒の定性

代表的なCNT製造法にはアーク放電法、レーザーアブレーション法、CVD法などがあげられます。いずれの方法もCNTの成長を促すために触媒を使用するために製造後に精製を行う必要があります。不純物金属は酸処理などにより除去が可能ですが、精製が不十分な場合は微量の金属が残留することがあります。

下記は、多層ナノチューブ(MWNT)、カーボンナノファイバー(CNF)の蛍光X線測定データです。
蛍光X線分析法は、非破壊で簡便に多元素同時分析が可能です。CNT中の触媒金属元素や酸処理の残留物の簡易定量が可能です。測定に必要な試料量は 0.1g程度 で全量回収できます。
また標準試料を準備すれば精密な定量も行えます。

MWNT,CNFの蛍光X線測定(装置:EDX-700HS)

MWNT,CNFの蛍光X線測定(装置:EDX-700HS)


 

EDX-7000

エネルギー分散型蛍光X線分析装置

蛍光X線分析法は、非破壊で簡便に多元素同時分析が可能なことから試料量が少ない場合や試料が貴重で損失ができない場合の測定にも有効です。特にCNT 中の触媒金属元素(Co,Ni,Y,La,Fe,Rh,Ptなど)の簡易定量分析、および酸処理による残留S,Clの定量分析が可能です。測定に必要な試料量は0.1g程度で全量の回収が可能です。また標準試料の準備により
精密な定量分析も可能です。