薬物投与したマウス大脳切片上の生体分子の構造解析

薬物投与したマウス大脳切片上の生体分子の構造解析

てんかんを誘発する薬剤として知られているカイニン酸をマウスに投与し、投与前後で大脳切片上を作成し、脳内物質の変化を質量顕微鏡で検討しました。
投与30分後の大脳切片上において、白質部分でm/z806.6イオンの顕著な増加が検出されました(図1)。
m/z806.6はMS/MS解析からホスファチジルコリン(PC)の1分子種であることが分かりました。一方、海馬部分ではm/z806.6の信号強度はほとんど変化していません(図2)。

浜松医科大学 分子解剖学 瀬藤光利先生との共同研究

イメージング質量顕微鏡iMScope TRIO

  • レーザーを5μm以下に集光できるため、微小な領域の質量分析や高解像度質量分析イメージを得ることができます。また、高性能試料位置決め機構により、光学顕微鏡像で観察した同じ位置を正確に質量分析することが可能です。
  • 大気圧イオン化法を採用しているため、試料を真空下におく必要がありません。Wetなサンプルや揮発性の高いサンプルの分析が可能になります。
  • 高分解能/高精度なMS機能が詳細、正確な構造推定を強力に支援します。
  • 対物レンズ40倍の高性能生物顕微鏡を搭載し、高い解像度で試料観察ができます。