パラフィン包埋組織切片のMSイメージング

子宮体癌・ヒト卵巣癌パラフィンのMSイメージ

数多くの病院、研究機関等で長期間保存されているパラフィン包埋組織切片も、脱パラフィン処理、酵素処理を行なうことでMSイメージング解析に利用することが可能です。保存期間7年間の子宮体癌(10 μm厚切片)を温キシレンで脱パラフィン処理しケミカルプリンタCHIP-1000を用いてトリプシンおよびマトリックス(DHB)を分注後、AXIMA Resonanceで解析しました。

また、同様に、ヒト卵巣癌パラフィン切片に対し脱パラフィン処理およびCHIP-1000を用いたトリプシン、マトリックス(DHB)添加を行った後、AXIMA Resonanceを用いたMS/MS分析を実施することで、切片上で直接タンパク質を同定しました。細胞骨格を構成する構造タンパク質を中心に、複数のタンパク質が検出・同定されました。

参考資料:青木豊 et al. (2007) “MALDI-MS Imaging を用いた創薬開発の可能性” 島津評論 64(3/4): 147~154.

MALDI-TOF MSイメージングシステム

  • 脂質、低分子化合物からペプチド、タンパク質まで多様な分子のMALDI-TOF MSイメージング、同定、構造解析が可能です。
  • 得られたMSデータは、BioMap等の既存のMSイメージングソフトウエアに読み込み、解析を行なうことができます。