近年,細胞や組織を取り巻く力学的なミクロ環境や微小刺激に対して,細胞内構造,細胞分化,細胞運動などの生理機能や制御機構が応答・適応することが明らかになりつつあり,メカノバイオロジーと呼ばれる研究領域が注目されています。これに関連して,細胞や組織が本来有する機械特性を計測することで,新たな評価指標となることも期待されます。しかしながら,細胞や組織は液中・湿潤状態のため,その計測は難しいと考えられてきました。
そこで,当社がこれまで材料分析用途で開発してきた走査型プローブ顕微鏡や材料試験機などの汎用分析機器を活用して,細胞分野での新しいソリューションを提案いたします。

物性評価のイメージ図

細胞の硬さ測定

細胞膜の強度評価

細胞・細胞シートの表面形状を観察

走査型プロープ顕微鏡 SPM-9700HT

三次元形状と局所的な物性をナノスケールで観察可能

遺伝子改変により,細胞骨格関連蛋白質の発現状態を改変するケースでは,その影響について細胞観察によってその形態変化を評価することがほとんどです。そこで,細胞の形状だけでなく,機械特性として弾性率(細胞の柔らかさ)も計測可能な走査型プローブ顕微鏡をご提案します。

細胞塊の強度を測定

微小圧縮試験機 MCT™-510

細胞・細胞塊の強度評価が可能

細胞塊の大きさは,直径数百μmであり,これらの強度を評価する場合には,微小な試験力を計測する必要があります。さらに,細胞塊の大きさにはばらつきがあることから,測定した結果を定量化・比較するためには,その大きさを考慮する必要があります。
そこで,試料の大きさを測定する機能を標準装備しており,被試験材料の強度評価が可能な微小圧縮試験機をご提案いたします。

立体的な組織の内部構造を観察

 

迅速・簡単に生体や医薬品,骨などの断面画像を撮影

組織の評価として,組織表面の形状観察や内部構造の定量評価が求められています。そこで,当社は材料解析の分野で培った,ひずみのない高拡大かつ高解像度の画像で,表面形状はもちろん微細な内部構造を観察できる,マイクロフォーカスX線透視装置をご提案します。

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培養細胞を利活用するプロセス例 

クローニング 細胞培養 細胞製造/非侵襲評価 細胞塊

SPM-9700HT,MCT,inspeXio,SMXは,株式会社島津製作所の商標です。

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