プラスチック材料の曲げ試験 【規格番号 ISO178:2010(JIS K 7171:1994)】

はじめに

近年,幅広い分野の多様な製品に使われるようになってきている合成樹脂(プラスチック)材料には多くの種類があり,それぞれ特長を活かした用途に使用されています。 例えばポリエチレン(PE)は成型しやすく安価であることから,容器や包装用のフィルムなど日常的な用途に用いられ,ポリカーボネート(PC)は透明で機械的強度が高く熱にも強いことからCDやDVDをはじめとする電気電子分野,更に輸送機械,光学,医療分野などで使用されていまます。 今回は,ポリ塩化ビニル(PVC)とポリプロピレン(PP) を含めた4種の材料に対する曲げ試験を行いました。

測定・治具など

プラスチックの曲げ試験において,支点台および中央の圧子の幅は試験片の幅よりも大きく,±0.2 mm以内の平行度とする必要があります。圧子の半径は5 ±0.1 mm,支点台の半径は試験片の厚さが3 mm以下のときは 2mm ±0.2 mm,試験片の厚さが3 mmを超えるときには5 ±0.2 mmと規定されています。支点間距離については試験片の厚さに16(±1)をかけた値に調整する必要があり,本試験では厚さ4mmの試験片を使用しているため支点間距離を64 mm(試験片厚さ4 mm×16 = 64 mm)としています。

測定結果

Fig.1 試験の様子

Fig.2 曲げ応力と曲げひずみの関係

プラスチック材料の曲げ試験システム

試験機   :AGS-X
ロードセル :1 kN
試験治具  :プラスチック3点曲げ試験治具(圧子先端径5 mm,支点台径5 mm)
ソフトウェア:TRAPEZIUM LITE X

TRAPEZIUM LITE X

卓上形精密万能試験機AGS-X

特長

  • 高精度ロードセルを採用(高精度形は0.5級,標準形は1級)
    ロードセル定格の1/500~1/1の広い保証範囲。信頼性の高い試験評価をサポートします。
  • クロスヘッド速度範囲
    0.001~1000 mm/minの広範囲で試験可能です。
  • 高速サンプリング
    最高1 msecの高速サンプリング。
  • オペレーションソフトウェア TRAPEZIUMX LITE X
    効率を高めるシンプルなソフトウェアです。
  • ジョグコントローラ(オプション)
    クロスヘッド位置を手元で操作できます。ジョグダイヤルを用いることで微小な位置調整が可能です。
  • 応用試験装置
    ラインナップされている豊富な治具に取り替えることにより,様々な試験に対応可能です。