GFRP材の疲労強度評価

ガラス繊維強化プラスチックGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic)は,耐熱性,電気絶縁性に優れた超高強度複合材料として,自動車のほかOA機器や家電機器などへの適用が急速に拡がってきています。特に自動車分野においては,その使用される状況を踏まえ,材料の耐衝撃性能と疲労強度が重用視されており,より機能(性能)の高いGFRPの開発が求められています。
GFRPとしてポリアミド樹脂にガラス繊維が20%配合された複合材料を対象にした疲労試験事例を紹介します。

負荷条件を決めるために静的引張試験を実施し,静的引張り試験で得られた引張り強度(96MPa)を基準に下記6水準の繰返し応力を決定し,繰返し負荷の応力比(最小応力/最大応力)をゼロとしました。
(例えば水準1の場合,最大応力77MPa,最小応力0MPa,応力振幅は38.5MPa)
       繰り返し最大応力
  水準1: 77MPa(引張り強度の80%)
  水準2: 67MPa(引張り強度の70%)
  水準3: 58MPa(引張り強度の60%)
  水準4: 48MPa(引張り強度の50%)
  水準5: 43MPa(引張り強度の45%)
  水準6: 38MPa(引張り強度の40%)

試験結果として,負荷開始から試験片破断までの測定応力と変位のピーク値(正弦波の山と谷)履歴を,応力水準5を例として示しました。繰り返し応力負荷を受けた試験片は繰り返し負荷により変形が漸増し,その後試験片のき裂発生後急激に変形が増大し破断に至ります。

また,6つの応力水準(各水準試験片1個)の最大負荷応力と試験片破断サイクル数の関係をプロットしたS-N線図を示しました。
以上の結果から分かるように,疲労試験機は疲労強度試験のみならず,静的試験まで広範囲の強度評価に適用できるものです。

EHF-LM/LVシリーズ

疲労試験機(サーボパルサ)

疲労試験システムの新時代を切り開く革新的なフルデジタルサーボ制御方式の多機能形材料試験機です。最先端技術を結集した完全デジタル制御の実現により,精度・信頼性・拡張性などすべての面ですぐれています。