ダウンロード

ユーザーベネフィット

エチレングリコールやプロピレングリコールは、空調機や冷蔵冷凍機などにおいて、伝熱媒体として用いられています。それらは凝固点が低く、安価なことから不凍液(ブライン液)としてよく使用されます。しかし、とりわけエチレングリコールは、人の体内に入り代謝されると有毒化し、腎臓障害などを引き起こします。そのため、不凍液が漏出し、特に排水処理されない雨水ライン等に混入した際に検知できるように、排水を監視しておくことが重要です。 排水中の有機物監視には、安価でメンテナンスの負担が少ないUV計がよく使用されています。ただし、UV計では不凍液を検出できないため、その漏出検知の用途においては適していません。一方で、TOC計は、有機物であれば種類を問わず検出できるため、漏出した不凍液を確実に検知することができます。 排水放流水の公的な有機物量の規制はCOD(化学的酸素消費量)で定められることも多く、不凍液の漏出検知の用途にCOD計が用いられている場合もあります。しかし、近年では、測定時間が長い、測定値が試料中の無機塩類の影響を受けるなどのCOD測定のデメリットを受けて、TOC計への置き換えが進みつつあります。 今回は、島津燃焼酸化式全有機体炭素計TOC-Lを用いて、排水に混入したエチレングリコールを検出した例をご紹介します。また、TOCとCODの相関確認も実施しました。

はじめに

- 排水に漏出した不凍液を、低濃度から高濃度まで感度良くTOC計で検出可能です。 - オンラインTOC計(TOC-4200)は、10分以下の周期で試料を連続的に測定し、排水を常時監視することができます。 - ラボTOC計(TOC-L)は、排水管理だけでなく、品質管理や調査・研究などの用途まで一台で対応可能です。

2024.04.02