試験CSCニュース No.118
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はじめに
インスタントコーヒーの製造法は、スプレードライ(噴霧乾燥)方式とフリーズドライ(凍結乾燥)方式の2つに大別されます。これらは、コーヒー液から水分を除去する過程に違いがあります。スプレードライ方式は、コーヒー液を微細な霧状にし、熱風中に噴霧させることにより、水分を瞬間的に蒸発させ微細な粉末を得る方式です。フリーズドライ方式は、コーヒー液を凍結させた後に砕き、真空状態で昇華により水分を取り除く方式です。水分を凍らせてから取り除くため、スプレードライ方式で得られるものよりも大きな粒子が得られます。一般的に後者の方が製造コストがかかりますが、①高温にさらされないので性質が変わりにくい、②凍結乾燥の際に生じる細孔内に香りの成分が保持される、③溶けやすい、などの特長を持っています。 市販されている2種類の製法の異なるインスタントコーヒーを用い、表面状態を知るため細孔分布と比表面積を測定した例をご紹介します。