TD-30によるVDA278に準拠した自動車内装材から放散するVOC及びSVOCの分析

ダウンロード

はじめに

近年、車室内の有機化合物の低減に対する取り組みが進められており、ドイツでは自動車内装材から発生する揮発性有機化合物(VOC)や中揮発性有機化合物(SVOC)を分析するための規格VDA278が作成されています。VDA278は測定試料をTD用ガラス管に添加し、VOC(C20まで)とSVOC(C32まで)をそれぞれ異なる温度で加熱し、発生したガスをGC-MSに導入します。自動車内装材中のVOCやSVOCを簡便かつ迅速に分析することが可能ですが、ガスを直接導入するため、SVOCが高濃度で含有されていた場合にキャリーオーバーの注意が必要です。 TD-30はサンプルラインを不活性かつ最短に設計しており、また、最大で300℃まで加熱できるため、SVOCのキャリーオーバーを低減できます。本検討ではTD-30を使用してVDA278に準拠した自動車内装材のVOC及びSVOCの分析を試みました。

2017.12.25