赤外ラマン顕微鏡AIRsightを用いた顔料の劣化解析

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はじめに

顔料は紀元前から様々な形で使われてきました。歴史的建造物でみられる壁画や絵画は、天然の鉱物から作られた無機系の顔料が多く使われていますが、現代では安価で大量に供給可能な有機系の合成顔料が広く普及しています。これら古代および現代の顔料同定には無機物と有機物の測定が必要となるため、赤外とラマンの複合測定を行い、結果を補間する方法が有効です。 赤外ラマン顕微鏡AIRsightは、赤外顕微鏡内部にラマンユニットを組み込んだ、新しい顕微鏡です。装置外観を図1に示します。これまで別々の装置で行っていた2つの分析を、1台で行うことが可能で、サンプルを移動させることなく、同一箇所における赤外・ラマンスペクトルを取得可能です。 また 、赤外およびラマン測定を1つのソフトウェアAMsolutionで制御できるため、操作も非常に簡単です。 今回は、AIRsightを使用して、古代中国で使われていた顔料の赤外・ラマンスペクトルを測定し、紫外線による劣化を解析した事例を紹介します。

2022.10.26

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