
Nexera-e
- 包括的2次元液体クロマトグラフNexera-eは、通常の1次元LCで分離困難な成分を分離でき、多成分を含む複雑な試料を網羅的に分析可能です。 - Nexera-eを用いることにより、複雑な試料から目的成分を分離し、定量することが可能です(グリチルリチン酸)。
葛根湯(かっこんとう)は発汗促進作用や、消炎、鎮痛効果があり、風邪、頭痛、肩こりなどに効果があるといわれています。葛根、麻黄、甘草、芍薬などよりなる方剤で、多くの有効成分を含み、代表的なものとしては、エフェドリン、グリチルリチン酸、桂皮酸などが知られています。 生薬では、品質管理などの目的で多成分を同定、定量する必要があり、複雑な成分を相互分離するためには、包括的2次元液体クロマトグラフNexera-eの利用が有効です。 包括的2次元LCシステム構成では、一般的に2つのポンプと2つのカラムが使用され、1次元目からの画分が連続的に2番目のカラム(2次元目)に導入されます。この導入は、完全に同期したバルブ切り替えによって2つ同じ容量のループを交互に充填することによって行われます。 一般に、包括的2次元クロマトグラフィーでは、1次元目(1D)と2次元目(2D)で異なる分離モードが選択されます。それにより、それぞれの次元の単独分析では分離が困難であった成分の分離を改善します。葛根湯などの漢方薬には、比較的極性の高い化合物が多く含まれているため、移動相のpHも分離を検討する際に重要なパラメーターです。 本稿では、葛根湯の包括的な2次元LCの分離例についてご紹介します。1Dではセミミクロスケールの逆相モードのカラムと中性pHの移動相、2Dでは超高速分析用の逆相モードのカラムと酸性pHの移動相を用いました。薬効成分の一つであるグリチルリチン酸の標準溶液を分析し、検量線を作成しました。その後、異なるメーカーの市販葛根湯エキス顆粒3種を分析し、含まれるグリチルリチン酸を定量しました。
2022.09.14
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