AIRsight™
赤外ラマン顕微鏡AIRsightを用いた 多層フィルムの測定
はじめに
食品や医薬品などの包装フィルムの役割の1つに製品の品質保持があり、多層フィルムがよく利用されます。これは、複数の単層フィルムを組み合わせて多層とすることにより、耐熱性や耐衝撃性、遮光性、酸素遮断性など、内容物に合わせて、包装フィルムに様々な特性を持たせることが可能となるためです。多層フィルムの各層における材質や厚みの確認は、新規材料の開発や品質管理において重要です。また、競合製品と自社製品の比較・他社製品調査にも役立ちます。 赤外ラマン顕微鏡AIRsightは、赤外顕微鏡内部にラマンユニットを組み込んだ、新しい顕微鏡です。これまで別々の装置で行っていた2つの分析を、1台で行うことが可能で、試料を移動させることなく、同一箇所における赤外・ラマンスペクトルを取得可能です。また、赤外およびラマン測定を1つのソフトウェアAMsolutionで制御できるため、操作も非常に簡単です。 赤外測定では、主に10 µm以上の厚みを持った層の定性が可能ですが、ラマン測定では、赤外測定と比較して ①レーザー光を用いることによる優れた空間分解能 ②低波数側の測定が可能 などの利点により、多層フィルム中の極薄層(10 µm未満)および低波数側に特徴的なピークを持つ無機化合物層の定性に効果を発揮します。 今回は、AIRsightで測定可能な赤外/ラマン分光法を用いて、包装材に使われる多層フィルムを解析した事例を紹介します。
2023.02.20
関連製品
一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。