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はじめに

最近良く耳にするのが、水がおいしくなる、ご飯がおいしい、てんぷらがからっと揚がるなど口にするものがおいしくなるという話です。このおいしくなるという要因に炭が関わっています。余分なものを炭が吸着させてしまうことにより、おいしさが増すのです。 この吸着という現象は、炭表面にある細孔の大きさ、体積と密接な関係があります。 細孔の大きさや体積、言いかえれば吸着スペースや空間の多い少ないを測定する方法としてガス吸着法があります。 ガス吸着法は、一般に低温にて窒素ガス吸着を行いますが、窒素ガス吸着の場合、“activated entry effect”という現象が起こります。この現象は窒素ガス分子が細孔に入ろうとするとき、吸着温度が低い(窒素ガス分子のもつエネルギーが十分でない)と、窒素ガスが細孔の奥まで拡散できず、吸着量が異常に小さく検出される現象を言います。この現象を緩和するため木炭や竹炭などのガス吸着測定に炭酸ガスを用い、より高い温度(ドライアイス+アルコール約-80℃)で吸着させる方法があります。 今回ご紹介する測定例は、家庭でもよく使用される竹炭と備長炭の炭酸ガス吸着の比較を行いました。

2003.02.12