
石油化学
レーザ回折式粒度分布測定装置の特長の一つとして測定範囲が広いことが挙げられますが,近年,その測定範囲はいっそう広がってきています。測定装置において,測定粒子径範囲を決定付ける基本的な要素は光学系です。粒子から発せられる回折・散乱光を,どの角度範囲で検出しているかによって基本的な測定範囲は決まります。より粗粒子を測定しようとすれば,より小角度の光を,より微粒子を測定しようとすれば,より高角度の光をとらえなければなりません。ここでご紹介する SALD-3100 は,より小角度の回折・散乱光をとらえることで,粗粒子領域における性能向上を目指した装置です。 しかし,粗粒子を正確に測定するためには,光学系を粗粒子向きに変更するだけでは不十分です。レーザ回折式粒度分布測定装置では,通常,光学系中のフローセルと,分散槽およびポンプを備えたサンプラユニットの間で,試料懸濁液を循環させながら測定を行います。したがって,大きく重い粒子を流路系内に滞留させること無く,強力に循環させるフローシステムも必要となります。SALD-3100 はスタンダード機種の SALD-2100 に対して 3 倍以上の流量である,毎分 5 リットルの流量を持つポンプシステムとスムーズな流路を採用し,高比重の粗粒子でも強力に測定部に搬送することができます。 本報では,SALD-3100 の粗粒子域での性能を実感していただくため,高比重で粒子径の大きい金属粒子の測定例をご紹介します。
2002.09.29