
石油化学
赤外吸収分析法は,物質の定性手段として広く用いられている手法です。測定法としては,透過法や反射法などさまざまな方法があり,試料の形状に応じ適当なアタッチメントを選択して測定することが必要となります。各種の測定法の中でも,ATR法(AttenuatedTotal Reflection=全反射吸収法)は,KRS-5やGeのプリズムに試料を密着させるだけで透過法による吸収スペクトルと類似したスペクトルが得られるため,フィルムやゴム,繊維などの試料を中心とした幅広い分野で用いられているポピュラーな測定法です。しかし,従来のATR測定装置は,プリズムが垂直に配置されているため,溶液や粉末の測定は困難とされていました。ここでは,プリズムを水平に配置し,これらの測定を容易に行える,「水平形ATR」の応用について紹介します。
2021.03.30