FTIRによるゴムの分析-ゴムからのケイ酸塩の除去方法-

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はじめに

ケイ酸塩はケイ素と酸素から成る塩で,その代表的な化合物としてはタルクやカオリン(カオリナイト)などがありますが,金属酸化物を含まない二酸化ケイ素もその一種とされています。ケイ酸塩は炭酸塩と同様に,洗濯用石鹸のアルカリ助剤として用いられたり,ゴムやプラスチックなどの充填剤としても広く使用されています。 ケイ酸塩を含有したゴムの赤外スペクトルを測定する場合,ケイ酸塩の非常に大きなピークが1000 cm-1 付近に現れ,その付近にあるゴムのピークを隠してしまうため,定性を困難にすることがあります。今回は,ケイ酸塩の一種であるタルクを含有したゴムからタルクを除去する前処理方法をご紹介します。なお,タルクと同様にゴムの添加剤としてよく使用される炭酸カルシウムの除去方法については,アプリケーションニュースNo.A416を参照下さい。

2010.02.02

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