
石油化学
試料室設置型赤外顕微システムは、FTIR 本体の試料室内にS.T.Japan Inc.製の顕微 IR アクセサリーSurveyIRTM(サーベイヤー)(以下、SurveyIR)*1を設置し、100 μm 程度までの微小部を測定するシステムです。赤外スペクトルの検出にはFTIR 本体の標準検出器を使用します。SurveyIR は透過/反射/ATR 測定(ダイヤモンド、Ge プリズム)が可能で、アパーチャは全 6 種類(2000、250、200、160、100、60 μm)から選択可能です。対象となる試料の大きさが 100 μm 程度であれば、SurveyIR を用いることによって微小部測定が可能となります。なお、対象物サイズが数十μm 程度の場合には、MCT 検出器を搭載した赤外顕微鏡を用いた分析が効果的です。 例として、図 1 には島津 FTIR の IRSpiritTM(以下、IRSpirit)と SurveyIR を組み合わせたシステム外観を示します。 IRSpiritは、クラス最高の SN 比と最高分解能を兼ね揃えたコンパクトFTIRです。本体サイズは 390(W)× 250(D)×210(H)mm と A3 サイズ以下で、間口の狭い場所でも設置できるように、2 面からのアクセスを可能にしています。また、液体セルや KBr 錠剤といった透過測定用の付属品はもちろん、1 回反射型 ATR 測定装置や拡散反射測定装置などの既存付属品や市販付属品をそのままお使いいただける特長もあります。 IRSpirit は、赤外検出器の選択として DLATGS 検出器を備えたモデル(IRSpirit-T)と、LiTaO3 検出器を備えたモデル(IRSpirit-L)の 2 種類があります。このうち、DLATGS 検出器は温度調節機能を備えた高性能な検出器で、測定環境の温度変化が測定結果に及ぼす影響を最小限に抑えています。 本稿では、IRSpirit-T タイプを使用した試料室設置型赤外顕微システムによる微小物の分析例をご紹介します。
2018.01.23