
石油化学
物質が光を吸収したり発光したりする際は、電子状態の変化が伴っています。吸収は電子が基底状態から励起状態へ、発光はその逆で励起状態から基底状態へと変化します。各電子状態には振動のエネルギー準位があり、さらに各振動準位には回転のエネルギー準位が存在します。常温では物質はエネルギー的に電子基底状態内の幾つかの振動・回転準位に分布し、そこから励起状態へ遷移するためにブロードなスペクトルとなります。振動・回転準位の分布は周りの熱に影響され、物質を冷却すると高次の振動・回転準位への分布が抑えられるためにスペクトルがシャープになり、常温では観測できないようなピークが得られるようになります。 今回、ユニソク社製の CoolSpeK を利用し、紫外可視分光光度計および分光蛍光光度計で低温状態における液体の測定をしましたのでご紹介します。
2018.04.18