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はじめに

吸光度スペクトルや蛍光スペクトルから、電子状態(基底状態や励起状態)の遷移過程を調べることができます。電子状態に関して Kasha 則やフランクコンドンの原理など様々な法則が知られていますが、より複雑な現象や例外も確認されています。特に有機物の発光においては、分子構造や周囲との相互作用によって得られるピーク位置やピーク形状が大きく変化することが知られており、例えば立体構造、異性化、溶媒の極性、粘度、pH などが影響を与えると言われています。 アプリケーションニュース No. A533 では 2 分子を含む光遷移の例としてピレンのエキシマー発光を紹介しましたが、今回は極性溶媒中と無極性溶媒中で異なる蛍光を示す試料と第二励起一重項状態(S2状態)から発光する試料を分光蛍光光度計 RF-6000 で測定しましたのでご紹介します。

2018.02.19