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はじめに

石油系燃料にはガソリン、軽油(ディーゼル)、灯油、重油などがあります。これらは沸点の違いを利用して精製されるとともに、異なる用途で身近なところに使われています。この中で灯油(及び A 重油)にはクマリンという物質が添加されており、軽油との混入を判断する材料として利用されています。クマリンの分析方法としては、公益社団法人石油学会が JPI-5S-71-2010(以下 JPI 法)を制定しています。しかし、ガソリンにはクマリンが含まれていないにもかかわらず、JPI 法を行うとクマリンに似た蛍光を示すことが報告されています 1)。そのため、ガソリンに灯油が混入した場合、両者を区別することは難しいとされています。そこで、ガソリンに含まれるクマリンに似た蛍光を示す成分の探索とその除去の検討が行われ、石油製品討論会で発表されました 1)。この発表ではガソリンに含まれるクマリンに似た蛍光を示す物質が N,N’-Bis(salicylidene)-1,2-propanediamine(以下BSPD)である可能性が示唆され、また適切な前処理を行うことで BSPD による JPI 法への影響を除去できることが示されました。 今回、分光蛍光光度計 RF-6000 とクマリン分析キットを用いて市販のガソリン中のクマリン分析をしましたのでご紹介します。

2017.02.01

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