石油化学
分光蛍光光度計RF-5300PCを用いたクマリン簡易測定の紹介
ダウンロード
はじめに
軽油には消費税(国税)のほかに軽油取引税(地方税)が課せられます。一方,灯油やA重油には軽油取引税は課せられません。このため,軽油に灯油や重油を混ぜた不正な混和軽油を販売して,税金分を不当に取得する不正行為が行われる場合があります。その対策として,当時の通商産業省の指導により平成3年3月から市販の灯油とA重油に,識別剤として濃度1 ppmのクマリンが添加されるようになりました。これを受けて,税務局では軽油の検査として,抜き取り試験を行っています。クマリンが検出されれば,灯油又はA重油が軽油中に混入されたことになり,指導処置が取られます。 このクマリンの分析方法について,社団法人石油学会製品部会 試験分析分科会で規格化が検討されています。 今回は,その規格化が検討されている簡易定量法(小容量で簡易的に定量する方法)を用い,クマリンの分析を行いましたのでご紹介します。
2010.07.21