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はじめに

全反射測定法(ATR法)は,試料をプリズムに密着させるだけの簡単な操作で試料のスペクトルが得られる方法です。樹脂やゴムなどでも薄く伸ばしたり粉砕する必要もないため,赤外分光法では,最も良く用いられる測定法の一つです。 今回ご紹介するのは,反射回数を一回とした単反射のATR測定装置です。 これまでは試料の吸収を強くするため,板状のプリズムを用い多重反射させるものがほとんどでしたが,FTIRの感度の高さから一回の反射による吸収でも十分なスペクトルが得られるようになりました。このため,小さな試料でも測定が可能になりました。また,接触させる部分が小さいため,曲がったプラスチックのような湾曲した試料でも容易に密着させることができます。

2000.08.22

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