
石油化学
一口に紙と言っても,私たちの周りに存在する紙の種類は多種多様で,その用途に応じてさまざまな処理が施されています。 紙の原料は木材から分離されたセルロースですが,これにバインダーを加えて圧着し,さらに強度保持,インキ止めのためのサイズ剤のほか顔料,クレーなどが塗布されています。また特殊な用途に応じるために表面をさまざまな物質でコーティングした紙があります。食品用紙容器,粘着テープ,離型紙,コート紙などが例です。これらの紙の表面を簡単に分析するには,FTIRによるATR法が最適です。 ATR法は,高屈折率材料でできた板状のプリズム表面に試料を密着させて測定する方法です。紙の種類によっては表面粗さが多少異なりますが,プリズムへ押さえつける力を強くして密着度を増すことにより,大抵の紙の表面スペクトルを測定することができます。 ここでは,種類の異なる紙の表面を,水平ATR(ATR8100H ,プリズム:ZnSe)で測定した例をご紹介します。
2000.01.19