
石油化学
品質管理上重要な微小異物の分析において,簡単かつ短時間に測定ができる赤外顕微鏡は分野を問わず広く用いられています。その中でも,顕微ATR法は試料からのかき取りや試料厚さの調整といった前処理の必要がなく,透過測定においてよく見られる干渉縞の影響,反射測定における異物表面の荒れや下地による反射,吸収の影響などを受けないため,表面異物や付着物の分析に大きな威力を発揮します。 顕微ATR法は,顕微鏡のステージ上に試料を置き,ステージを上げることにより異物をプリズムに密着させて測定します。そして,この密着の良し悪しがデータに大きく影響します。したがって一般的に,ある程度の硬さをもったフラットな下地表面の柔らかい異物は測定が簡単ですが,下地が柔らかい場合や凹凸がある場合はむずかしくなってきます。今回はこのむずかしい種類に属する紙やフィルタ上異物の測定例をいくつか紹介します。
2002.08.25