
石油化学
多層フィルムの分析方法としては,試料断面をミクロトームで切り出して得られた切片を顕微FTIR法を用いて測定するというのが一般的です。この場合,一層の厚さが10μm以下になると定性が困難となります。一方,顕微ラマン分光法においては,空間分解能が1μm程度と小さいことから,10μm以下の層でも測定が可能なことはアプリケーションニュースNo.A269でもご紹介しました。 顕微ラマン分光法においては,さらに,用いる励起光に対し透明な試料については,フォーカス位置を変化させることにより,異なる深さでの情報が得られるという特長があります。この特長を生かすことにより,多層フィルムの表面からフォーカスを変えていくだけで,前処理の必要なく各層のスペクトルを測定することができます。 ここでは,2種類の多層フィルムをフォーカスを変えながら測定した結果をご紹介します。
1999.07.04