
IRTracer-100
アミロイドβは、約 40 のアミノ酸残基からなるペプチドです。アミロイドβが分子間会合して平行βシートを形成することにより生じるアミロイド線維(線維状凝集体)は、アルツハイマー病患者の脳にみられる老人斑(アミロイド斑)の主成分です。また、パーキンソン病などの神経変性疾患の発症とも関連することから、アミロイド線維の形成機構やその構造には多大な関心が寄せられています 。 FTIR では、ペプチド結合の C=O 基に由来する 1650 cm-1付近のアミド I バンドを解析することで、アミロイドβの凝集を評価することができます。また、アミロイドβペプチドの二次構造(αヘリックス、βシート、βターン、ランダムコイルなどの局所的な立体構造)は波形分離を用いて求めることができます。波形分離は、各吸収バンドの波形をローレンツ曲線やガウス曲線などの近似曲線で表した計算スペクトルと実測スペクトルとの差が最小になるように、各吸収バンドの近似曲線のピーク情報(位置、強度、半値幅)を最適化する方法です。ここでは、アミロイドβの凝集評価の結果を紹介します。
2020.05.06
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