IRTracer-100
FTIRによるタンパク質の分析 –波形分離を使用したウシ血清アルブミンの二次構造解析–
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はじめに
タンパク質はペプチド結合の C=O 基と N-H 基がポリペプチド鎖内あるいは鎖間で水素結合し、αヘリックス、βシート、βターン、ランダムコイルなどの二次構造と呼ばれる局所的な立体構造を形成します。二次構造に関係する赤外吸収は、複数の吸収が重なり合った状態で 1650 cm-1付近にブロードな 1 つのピークとして現れます。このピークは“アミドI バンド”と呼ばれ、ペプチド結合の C=O 基の伸縮振動に由来するもので、アミド I バンドを解析することでタンパク質の二次構造に関する情報を得ることできます。 重なり合っている吸収バンドから、それぞれの吸収バンドのピーク情報を求める方法として波形分離(カーブフィッティング)があります。波形分離は、各吸収バンドの波形をローレンツ曲線やガウス曲線などの近似曲線で表した計算スペクトルと実測スペクトルとの差が最小になるように、各吸収バンドの近似曲線のピーク情報(位置、強度、半値幅)を最適化する方法です。 ここでは、波形分離を使用して、ウシ血清アルブミンの二次構造解析を行った分析事例をご紹介します。
2018.11.05
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