セメントの X 線回折分析 (2) ‒ リートベルト法による化合物の定量分析 ‒
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はじめに
セメントは、原料の粉砕・混合工程、焼成工程、仕上げ工程により製造されます。粉砕・混合工程では石灰石、粘土、けい石、酸化鉄原料などが用いられ、エーライト(C3S)、ビ-ライト(C2S)、アルミネート(C3A)、フェライト(C4AF)などから構成されています。製造会社や製品の種類によってそれらの比率が異なり、製品の性能に大きく影響するために蛍光 X 線と X 線回折で分析を行います。しかし、粉末試料の定性分析が可能な X 線回折においても、複数成分から成る試料においては回折線の重なりが多いことから、定量分析が難しいことが知られています。 ここでは、構成成分および割合が既知のセメント粉末試料を用い、プロファイルフィッティングの 1 つであるリートベルト解析法を応用した Siroquant ソフトウェア(SietronicsPty Ltd.)による解析事例をご紹介します。Siroquant により、通常セメントの管理で行われている蛍光 X 線による元素分析に加え、構成成分の特定と定量分析が可能となります。
2017.06.18