走査型プローブ顕微鏡による粘弾性の定量測定
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はじめに
走査型プローブ顕微鏡(SPM)は試料表面の形状と同時に物性のマッピングも可能な強力なツールである。本手法は、振幅変調法(AM法)による位相コントラストイメージングや位相イメージングと呼ばれ、試料表面の粘弾性の研究に用いられている(図1)。しかしながら、位相イメージングによる粘弾性の定量測定は、カンチレバーの応答や探針-試料間の相互作用といった複雑な問題のため、非常に困難である。 今回、我々はカンチレバーの励振信号と応答の位相シフトを再現性良く測定する手法について報告する。これは十分に硬く粘性のない試料を標準試料として用い、位相シフトのゼロ点を決めることにより達成された。
2021.03.28