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はじめに

リチウムイオン二次電池は、正極にコバルト酸リチウムに代表されるリチウム遷移金属複合酸化物、負極にグラファイトや⿊鉛などの炭素材料、電解液に有機溶媒を使用した蓄電池です。その高いエネルギー密度とセル電圧を活かし、スマートフォンや情報機器などの小型家電用二次電池として幅広く使用されています。近年は、プラグインハイブリッド自動車や電気自動車用途への開発も目覚ましく、さらなる高出力・高性能化が期待されています。 一方で、リチウムイオン二次電池は、短絡や過充放電、衝撃などによって不安定となることもあり、安全性を高める目的で様々な対策が取られています。その安全性に寄与する重要な部品の1つがセパレータです。セパレータは、正負電極間の短絡を防止すると同時にリチウムイオンをスムーズに通過させる役割を担うものですが、電池短絡などによる発熱時には電流を遮断する機能も併せ持っています。 一般的なセパレータ材料には、ポリオレフィン微多孔質フィルムが採用されており、高温になると材料の融点付近で細孔構造が閉塞してイオンの通過を阻止するシャットダウン機能が働きます。 今回は、走査型プローブ顕微鏡(SPM)によるセパレータの観察事例を紹介致します。

2020.01.26

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