SPMによる金ナノ粒子集合体の光誘起電荷分布の可視化

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はじめに

金属ナノ粒子と半導体の複合材料は、幅広い光化学変換を可能にする不均一系光触媒の代表です。例えば、金ナノ粒子(AuNP)と二酸化チタン(TiO2)の複合材料は、光触媒として有望な反応性を持つために広く研究されてきました。TiO2がバンドギャップエネルギーに対応する入射光を吸収すると、TiO2 の伝導帯に励起された電子は表面に固定化されたAuNP に移動し、TiO2内の電荷再結合を妨害します。このような現象を解明するためには電荷分布の可視化が有効です。 また、電子移動を担う金属タンパク質を利用した新たな機能性バイオデバイスの創出において重要な集積構造の制御にも役立ちます。ケルビンプローブフォース顕微鏡(KPFM)はケルビン法を走査型プローブ顕微鏡(SPM)に適用した分析手法であり、 表面形状に加えて、表面電位分布を測定することができます。 ここでは、紫外光照射下で、KPFM 測定を行い、AuNP を固定化したハイブリッド TiO2 材料の表面に生じる光誘起電荷分布の可視化を試みました。

2020.07.07

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