
KRATOS ULTRA2 (英国名AXIS Supra+)
XPS(X 線光電子分光法:X-ray Photoelectron Spectroscopy)は、物質表面約 10 nm に存在する元素の定性・定量分析に加え、化学結合状態の分析が可能な表面分析手法です。 XPS は検出されるピークのエネルギー値を用いて分析を行いますが、試料中に含まれる元素の組み合わせによっては、近隣のピークが重なってしまい、目的の分析ができないことがあります。通常このような場合、別軌道のピークを用いますが、例えば Al、Cu の両者が含まれているジュラルミンなどの試料はアルミニウムが銅のピークと重なってしまうため、アルミニウムの化学結合状態の解析は困難とされてきました。しかし近年、より高いエネルギーの X 線源を用いることで、従来の Al Kα線で励起できない、より内殻軌道の電子を励起し、ピークの重なりを回避して分析する手法が用いられるようになりました。ここでは、Al Kα線の約 2 倍のエネルギーをもつ Ag Lα線を用いて、アルミニウムと銅が同一分析箇所に存在する試料を分析した例を紹介します。
2020.07.07
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